- ホーム
- 国産木材活用のイメージと効果
国産木材活用のイメージと効果
住宅への国産木材活用による効果の「見える化」
木造住宅は、軸組工法、ツーバイフォー工法、木質パネル工法など、使用する木材やその工法はさまざまです。このうち、例えば軸組工法の住宅では、柱や土台、梁(はり)などの構造材、根太、間柱などの羽柄材、下地材、造作材などの部材に幅広く木材が使われています。木材の主要な利用先である住宅にできるだけ国産木材を活用していくことで、カーボンニュートラルや花粉症対策に貢献することができ、国産木材活用住宅ラベルによってその効果を「見える化」することができます。
木造住宅におけるスギの使用量・住宅の炭素貯蔵量の計算
木造軸組工法の2 階建て住宅(延床面積 約120m²)を例に木材使用量を試算し、それをもとにスギの使用量と住宅の炭素貯蔵量を計算してみました。
木材使用量の試算例
国産木材使用量 | 外国産 木材 使用量 |
全体 使用量 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|
スギ | ヒノキ | その他 | 計 | |||
備考 | 国産木材使用割合は74.5%(7割以上) | |||||
構造材 | 5.4m³ | 1.1m³ | 0.2m³ | 6.7m³ | 5.3m³ | 12.0m³ |
羽柄材 | 4.5m³ | ─ | 0.5m³ | 5.0m³ | 0.7m³ | 5.7m³ |
下地材 | 2.1m³ | ─ | 2.0m³ | 4.1m³ | ─ | 4.1m³ |
仕上材・ 造作材 | 1.2m³ | ─ | 0.6m³ | 1.8m³ | ─ | 1.8m³ |
合計 | 13.2m³ | 1.1m³ | 3.3m³ | 17.6m³ | 6.0m³ | 23.6m³ |
過去の調査結果(※1)による軸組工法住宅の木材使用量のデータを用い、左表のようにできるだけ国産木材を使うという設定(梁(はり)、筋かいを除いて国産木材)にしてみると、国産木材の使用割合は7割以上になります。
(※1)「木造軸組工法住宅の木材使用量(平成13年度調査)」(公財)日本住宅・木材技術センター、「木造住宅の木材使用量調査事業報告書」(一財)日本木材総合情報センター(平成26年)
スギの使用量の計算結果
使用量 | 本数 | |
---|---|---|
スギ | 13.2m³ | 約58本 |
ヒノキ | 1.1m³ | 約6本 |
スギの使用量13.2m³を立木の本数に換算(※2)すると約58本になりました。
(※2)換算時の本数
スギ材:4.4本/m³、ヒノキ材:5.9本/m³
住宅の炭素貯蔵量の計算結果
延床面積 | 国産木材 利用量 |
国産木材の 炭素貯蔵量 (CO₂換算) |
木材全体 利用量 |
木材全体の 炭素貯蔵量 (CO₂換算) |
---|---|---|---|---|
120m² | 17.6m³ | 12t-CO₂ | 23.6m³ | 17t-CO₂ |
住宅の炭素貯蔵量のうち、国産木材の炭素貯蔵量(※3)は12t-CO₂になりました。これは次のようなCO₂排出量に相当します。
・普通自動車で地球3周(約12万㎞)走行したときのCO₂排出量
・1世帯あたりのCO₂排出量3年分(データ引用元:新潟県農林水産部HP)
(※3)「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン(令和3年10月1日 3林政産第85号)」に則り算定しました